メッセージ

黒人は故郷を離れても、どんなに苦しくても、どんなボロ太鼓でも叩き、歌い踊り続けてきたのです。その結果、心を熱く激しく優しく震わせる音楽が生まれました。レゲエはその代表格です。僕が製作するケテドラムは、そんなジャマイカ国内の悲しい歴史や、レゲエミュージックの基盤となったビート感をもつ、ジャマイカ、レゲエを語る上で欠かす事のできない素晴らしい太鼓です。レゲエサウンドに感じる故郷を思う郷愁感…現状を打破しようと戦いつつも、思慮深く心の声(音)を聞くラスタの音楽(ハートビート)、その全てを内包するケテドラムの音はマイナーで、か細くもあり、時に激しくうねる。それは僕たち日本人の心にも静かにけれど熱く激しく染み渡る…。それは過去、現在、誰もが心の奥底にかかえる、不安や悩み、幸せの渇望、ノスタルジックなフィーリング。そんな気持ちに答えてくれる音だからだと思うのです。そしてその外観はプリミティブなものと工業的なものが混在した、とてもリアルなものです。この太鼓に触れて頂く事で、きっと知られざるジャマイカや世界の歴史、現実、に興味を持ってもらえると思います。(僕自身がそうであった様に、レゲエをより好きになり、リリックを和訳したり、土臭いグルーブや哀愁のメロディーの訳を知りたくなると思う。)それは過去アフリカで何が行われたか?どんな犠牲の上に自分たちは胡座をかいているのか?そうラスタマンの言葉を借りるなら、「バビロンシステム」の事実。と言った事などでしょうか。さらに、狭く片寄った価値感、道徳観。矛盾した法律などで縛られた我々日本人が忘れがちで、軽視されている気がする『音楽』=踊る事、叩く事、歌う事、騒ぐ事、それが実は凄く本能的で自然な行為で、心の底からリラックスできる素晴らしく重要なものなんだ!と言う事に気付いたり、再確信してもらえたら嬉しいです。そして星空や水平線を眺め、焚き火に酔いつつ、未来を語り合い、心の声を読んでみたり。その傍らにもケテドラム、やばいです。